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気候の変動により、ゲリラ豪雨や水害も毎年のように起こるようになりました。 
いつ自分事になるか、予測ができない日々が続いています。

 

危機が迫る前に親子で話しておきたいことについて、旭化成ホームズ株式会社 LONGLIFE総合研究所主任研究員の山田 恭司さん(一級建築士 )にお話を伺いました。 
 

山田恭司さん プロフィール

 

旭化成ホームズ株式会社 LONGLIFE総合研究所主任研究員であり、一級建築士。住まいの防災研究の専門家として、防災トレンドや在宅避難について、幅広い知識を持つ。

 

気象庁のデータからもわかる 
水害・集中豪雨の甚大化

出典:気象庁

近年、夏場は水害や集中豪雨のニュースをよく見るようになったと感じている人も多いのではないでしょうか。

「50㎜/時以上の集中豪雨発生回数が約1.5倍に増加。50㎜ 以上の雨量とは、滝のように降ると表現される状態です。 
 

グラフを見ると、1976年からの10年と、2014 年からの10年を比べると、発生回数は約1.5倍に増加しています。温暖化の影響と見られる集中豪雨は、肌感覚ではなく、実際に増えているのが、近年の実態です。

 

これらのことから、水害は起こるものだと想定し、防災だけでなく回復までを見越した『防災、減災、復旧』という3つの視点で考えることが大切です」

 

・防災は「被害想定から」

「防災というと、対策からはじめる人が多いのですが、実は災害の想定から始めるのが重要です。何を準備しなければならないかは、どのような被害が起こり得るかによっても変わります。水害で考えると、自分の家は、浸水被害や土砂災害が起こり得るのか、ということがポイントですね」

 

・減災は「リアルタイム情報のチェック」

「減災としては、リアルタイムの情報を持っていることが非常に大事。それを掴むことで、いつ、どのくらいの災害がおこるかが予測でき、早めの避難行動をとることができます。また、起こった後の在宅避難にそなえることで、避難所生活でのリスクを避けることができます」

 

・復旧は「住み続ける視点で考える」

「復旧の部分は非常に難しく、第三者に頼る部分が多いのですが、住み続けられるという視点で考えていくといいのかなと思います」

 

避難する?しない? 
迷わないために知っておきたいこと

 

実際に起こるかもしれないと思っていても、どう判断すればよいか迷う人も多いのではないでしょうか。

 

「まず、家に留まれるかを知ることが重要です。留まれない場合、避難しますが、避難場所を確認し、更にいつ逃げるか、どこを通って逃げるか、を確認します。また逃げるタイミングを判断できる情報源の確認も必要です」

 

ここで、2018年の西日本豪雨で起きた実例を見てみましょう。

 

「次の写真は、弊社の住宅に住んでいるお客様にご提供いただいた写真です」

 

 

「広島県倉敷市真備町という地域で、浸水しました。朝4時に浸水に気づいたあと、すぐ停電し、救助ボートが来たのは19時だったそうです。

 

実はこの地域、事前に情報を得ておくと、10~20mの高さまで(1階天井までは約3m)水が上がってくる可能性のある場所で、避難が必須でした。それぞれの地域で避難情報が出ていると思いますので、リアルな情報を集めながら、判断していきましょう」

 

1. 重ねるハザードマップで被害想定

 

住んでいる場所は、台風や豪雨でどのくらいの被害が想定されるか、国土交通省の『重ねるハザードマップ』で事前に確認しましょう。

 

下記の写真は、先ほど浸水被害に見舞われた住宅がある岡山県倉敷市真備町付近の「洪水」リスクです。

 

出典:国土交通省 重ねるハザードマップ (岡山県倉敷市)

 

 

川の周辺は、洪水による浸水が発生すると10~20mの深さになることが一目でわかります。

 

「色が付いていないところは、在宅避難が可能なエリアです。事前に自宅周辺ではどのくらいの被害が想定されるか把握しておくことがとても大切です。

これをもとに、自分の家に留まるのか、逃げなければならないのかを決めましょう。洪水だけでなく、土砂災害、高潮、津波のリスクも調べられるので、事前に確認しておきましょう。

マンションに住んでいる人は、起こりうる浸水の深さで判断してください。1階あたり3mの高さと考えて計算して、避難する・しないを決めましょう」 
 

2.リアルタイム情報をチェックできる「キキクル」を知る

 

水害は、局所的なゲリラ豪雨を除き、事前に情報が出ていることがほとんどです。

 

「リアルタイムの情報収集は、気象庁の『キキクル』が便利です。リアルタイムで土砂、浸水、洪水の危険度をチェックできます。

 

基本的にお子さんがいる場合、危険度3の赤になったら避難を始めてください。お子さんがいることによって、スピードが落ちる可能性があるので、早めに避難し始めたほうがよいでしょう。

 

避難しても、浸水がなく問題なさそうだったら家に戻ればよいので、一旦逃げるということが重要かなと思います」

 

避難する時間帯にも注意が必要です。

 

「逃げる時間帯は、夕方まで。そのときは雨が降っていないかもしれませんが、周りが見える時間帯に必ず逃げてください。

そして、周りの人が逃げていなくても、ハザードマップやキキクルを参考に、避難すること。周りの人がきちんと判断できているかは、わかりません。避難時は、お隣さんやご近所さんに声をかけることも、地域を守るうえでは大切です」 
 

キキクルの特設ページでは、子どもにも分かりやすいアニメーションで大雨災害の知識や、使い方の説明が紹介されています。

 

「お子さんにどう伝えたら…と困っている方は、一緒に見てみると良いのではないでしょうか」

 

3.どこを通って逃げるか、事前に確認を!

 

ハザードマップで確認して、非難する必要がある地域・住宅に住んでいる場合、事前に経路を把握しておくことも大切です。

 

「事前に避難経路を歩いてみて、危ない場所を確認しておきましょう。土砂災害が予想される場所や、川や橋は危険です。通らないで避難所まで行けるルートを知っておくことも大事です。お子さんの足だとどのくらいかかるか、もし雨が降っていたらどんなリスクが考えられるのかという視点も持って、歩いてみるとよいでしょう。

 

そのほか、『非常時の持ち出し品』『家族が離れているときの安全確認の方法を決めておく』ことも、大切ですね。

 

ちなみに、冠水が進んでいる場合、避難は車ではなく徒歩が鉄則です。車は、水深10cmを越えるとブレーキ性能が低下し、水深30cm超えると動かなくなる可能性がありますので、注意しましょう」

 

・避難時の注意点

「ひざ下まで浸水してしまったら、大人でも危険です。避難所に行くことはあきらめ、できるかぎり高いところに逃げてください。また、すでに浸水してしまっていると、濁っているので道路の危険が見えません。マンホールや側溝に落ちてしまったという事例もありますので、水が迫ってくる前に逃げるのが基本です。万が一、水の中を移動する場合は、棒で足元を確認しながら避難しましょう」

 

「服装は、動きやすい恰好で。手が自由になるようにバッグはリュック型にしましょう。また、長靴は水が入って歩きにくくなる可能性があるので、スニーカーを履くこと。お子さんにも、同じくスニーカーを履かせてください」

 

浸水被害にあったら 
早めに住宅の診断を! 
 

水害が起こったあとも住み続けるためには、復旧のために早めの行動が必要です。

 

「へーベルハウスでは、災害が発生してから翌日までにお客様の無事の確認と必要物資のお届けをしています。

 

そのあと、現場診断を行います。なぜこのタイミングで診断をするかというと、この診断見積もりがないと保険がおりないからです。保険がおりないと、補修工事ができません。浸水の場合は、浸かってしまった壁は原則はがす必要があり、素材にもよりますが、床もはがして干したり、交換しなければなりません。

 

保険がらみの対応時間が長くなってしまうと、復旧になかなか進めないので、できるだけ早く現場診断と見積もりをすることが大切です。

 

また火災保険の水災補償で水害にも適応されるものがあるのですが、実は床下浸水のみでは補償対象外となることが多いので、覚えておいていただけたらと思います」

 

災害対策として知っておきたい!便利な情報リンク集

重ねるハザードマップ(国土交通省) 
キキクル(気象庁) 
非常用持ち出しチェックリスト(総務省) 
発災後3日分の備え 《水+熱源+9食》 (農林水産省) 
災害時に備えた食品ストックガイド(農林水産省) 
 

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