「お好み焼づくりはワクワクだ!」お好み焼をつくる楽しさや幸せ感を可視化
お好み焼き、たこ焼き、うどん、豚まん……みなさんはどんな“粉もん”が好きですか? 代表的な“粉もん”のひとつがお好み焼き。食べておいしいのはもちろん、みんなで作って食べる楽しさも魅力です。オタフクソース株式会社は、好み焼きをつくる際のそんな幸せな気持ちを数値で表し、可視化しました。
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調理中の子どもたちの豊かに動く感性に着目
オタフクソース株式会社(本社:広島市西区、代表取締役社長:佐々木 孝富)は、「お好み焼づくり体験における感性変動」について、慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 教授 満倉 靖恵氏(以下、満倉教授)と共同検証し、お好み焼をつくる工程におけるワクワク度などの感情変化を数値化しました。
家族や仲間とホットプレートを囲み、賑やかに食べることのできるお好み焼。当社はそれを「小さな幸せ」の一つとして多く の方にお届けできたらと考え、「団らん」のシーンとともにあるお好み焼の普及活動に、長年取り組んできました。一方で、お好み焼の魅力は団らんだけではなく、「つくって食べる」楽しさと幸福感もあることに着目。これを可視化できないかと考え、共同検証を提案しました。
お好み焼は、「材料を切り、混ぜ、焼いてひっくり返す。もう一度ひっくり返して焼く」といった、比較的簡単ないくつかの動作でつくることができるため、お子様がつくって楽しむにも最適なメニュー。そこで、今回は子どもたちを対象として検証しました。
検証結果のポイント
〔1〕お好み焼づくり体験中、感性値が豊かに動く。「具材を混ぜる」工程にワクワク度と興味度が上昇
〔2〕体験中、お好み焼づくりがどんどん好きになっていく
〔3〕1回目の「ひっくり返す」は少しストレス。2回目は、ひっくり返す前からワクワク!
〔4〕ホットプレートの蓋を開ける瞬間に、ワクワクが上昇
〔5〕上手にできても、できなくても、お好み焼づくりは楽しい
〔6〕自分でつくったお好み焼を食べるほうがワクワク!
〔7〕お好み焼づくり体験により得た達成感は、積極性や自信にもつながる
検証方法の概要
●調査対象:関東在住の7~12歳の小学生 男女12名
●条件:「お好み焼こだわりセット」を使用し、生地を混ぜるところから始め、ホットプレートで焼き、お好み焼を完成させる
●方法:アクティビティ(調理体験と喫食、喫食のみ)中、その前後に脳波を計測し数値化する
●使用機材:感性可視化ツール「感性アナライザー」
満倉教授が約20年の研究実績により開発した「脳波から感性を把握するアルゴリズム」の技術を活用して、株式会社電通サイエンスジャム様と共同開発した機器。潜在的、直感的な情報(何となく感じる、気がついていない、言葉にできない)を抽出し、感性・気持ちを把握します。
※当検証結果を紹介いただく場合は、注釈として「オタフクソース調べ」とご記載ください。
- 満倉教授のコメント
調理体験で感性値が豊かに動いていたことは、子供たちが調理過程をエンターテインメントとして楽しんでいたことを示しています。また、ひっくり返しの工程など適度な挑戦が子供の好奇心を引き出し、親御さんと一緒に何かを作り上げる体験がワクワクする学習を提供しています。また自分で調理したお好み焼を食べていた時の計測結果から、好き度やワクワク感を伴う幸福感を感じさせる可能性が示唆されています。こうした体験は睡眠時に記憶として定着し、子供たちの情緒的成長にも繋がります。今回の結果は、エンターテインメント性を持つ調理体験が食育において重要であることを強調しています。豊かな感性の育成が子供たちの健全な成長に寄与することが期待されます。
<満倉 靖恵氏 プロフィール>
博士(工学)、博士(医学)。慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科教授。医学部精神神経科学教室 兼担教授。株式会社電通サイエンスジャムCTO。信号処理、機械学習、パターン認識、人工知能、統計処理などの技術を用いて生体信号や音声、画像から情報を抽出する研究に従事。現在は脳波と画像を扱い、社会に役立つ研究や医学との融合を中心に取り組まれている。
- 検証結果の概要
〔1〕お好み焼づくり体験中、感性値が豊かに動く。「具材を混ぜる」工程にワクワク度と興味度が上昇
まず、ワクワク度が高まったのは、生地の入った直径約20センチのボウルに具材を入れ、まぜる工程(①)。お好み焼づくりの醍醐味とも言えるお好み焼をひっくり返す工程は2回ありますが、1回目はストレス度が高くなりました(②)。2回目は一度経験した動作であることや、ある程度お好み焼に火が通り固まっていることもあり返しやすく、ワクワク度と好き度が急上昇しました。(③)
このように1枚のお好み焼を焼く約15分間に、感性が豊かに動くことがわかりました。
事前安静状態を基準とした際の各調理工程の変化率
〔2〕体験中、お好み焼づくりがどんどん好きになっていく
事前の安静状態から各調理工程における個人の変化率の平均で作成したヒートマップでは、前半の工程では興味度が高く、後半になるにつれワクワクするようになり、お好み焼をどんどん好きになっていく様子がわかりました。
〔3〕 1 回目の「ひっくり返す」は少しストレス。 2 回目は、ひっくり返す前からワクワク!
ひっくり返す工程の前後のワクワク度は、1回目はひっくり返す前よりも後の方が高かった一方、2回目はひっくり返す前から1回目よりもワクワクしていることがわかりました。
1回目の「楽しかった」感覚が、期待感として高まり、「またひっくり返したい」という再体験意欲につながったと思われます。
〔4〕ホットプレートのフタを開ける瞬間に、ワクワクが上昇
お好み焼は蒸すことも大切な工程。フタを開けるとふわっと出てくる蒸気と香りに期待も高まります。その瞬間の高揚感や、「おいしそう」という気持ちが感性値に表れました。
〔5〕上手にできても、できなくても、お好み焼づくりは楽しい
12名全員が、みんなで焼くのも、食べるのも「楽しかった」と回答しています。
お好み焼をつくる工程で変動した感性が、もう一つのおいしさとなって、だれかと調理し、食べることの楽しさを感じられたようです。
〔6〕自分でつくったお好み焼を食べるほうがワクワク!
調理済みのお好み焼より自分でつくったお好み焼を食べたときのほうが、ワクワク度、好き度も上昇。また、自分で焼いたお好み焼の方がおいしかったと12名中8名が回答しています。
自分でつくることで、調理の楽しさとともに、食への関心が高まっていることがわかります。
〔7〕お好み焼づくり体験により得た達成感は、積極性や自信にもつながる
検証に同席された保護者からは、以下のような感想が寄せられました。
・最後まで自分でやり遂げることで達成感を得て、家族に「おいしい」と言われ、うれしそうだった
・これまでは怖さを感じていたようだが、今回、一人でたまごを割ったり、ひっくり返したりする体験を通じ、今後のやる気につながっていた
・自宅では料理に興味を持っていなかったが、積極的にやっていた
・危ないという理由で料理をさせていなかったが、一人で全部をできたことがとてもうれしそうだった。家では、私が手を出しすぎていたと反省した
一方、お好み焼体験終了後の子どもたちへのアンケートで、「大切な家族や友達のために、またお好み焼を焼きたいと思ったか」の問いに、12名全員が「はい」と回答。自分でつくる楽しさやおいしさとともに、自分自身の大切な家族や友だちに共有したい気持ちが生まれたようです。
- オタフクソース株式会社 研究室 主任研究員 斉藤 裕子のコメント
今回の実験を通じて、生地を混ぜる工程でのワクワク感や興味度が高まっていたこと、また、ひっくり返すという難しい工程を繰り返すことでお好み焼への好き度に変化が見られたことは、大変興味深い結果となりました。また、全体を通じて感性値が豊かに動いていたことから、お好み焼調理体験は、子どもたちが楽しみながら料理に関心を持ち、食の大切さを学ぶ絶好の機会になると考えています。
みんなで作り、食べることで生まれる喜びや、難しい工程をクリアした時の達成感、ひっくり返す瞬間のドキドキ感を共有することは、人と人のつながりも深めます。ぜひ、多くの方にこのワクワクする体験を楽しんでいただきたいです。
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