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子育て中のママは、いつの間にか「自分」を見失ってしまいがち。 
「うちの子は○○が好きで」と話しているうちに、「私は何が好きだったんだっけ?」と思うことはありませんか?

今回お話を伺った棚澤明子さんは、お子さんの電車好きをきっかけに気づけば自分も電車に夢中の「ママ鉄」に。さらに親子登山へと趣味を発展させた方。

そこには、子どもを通して新しい自分を発見し、親子の絆を深めていく素敵な物語がありました。


 

プロフィール
棚澤明子(たなざわ・あきこ)さん
インタビュアー/ライター/傾聴カウンセラー。
神奈川県生まれ。映画配給会社、フランス語翻訳者を経てフリーライターに。著書に『子鉄&ママ鉄の電車を見よう!電車に乗ろう!』(2016年、プレジデント社)、『福島のお母さん、聞かせて、その小さな声を』(2016年、彩流社)、『福島のお母さん、いま、希望は見えますか?』(2019年、彩流社)、『いま、子育てどうする?感染症・災害・AI時代を親子で生き抜くヒント集35』(2021年、彩流社)など多数。『生きる力を見つけた親子登山』(彩流社)を2025年7月に上梓。
 

わたらせ渓谷鐵道 撮影 工藤裕之

 

すべては息子の「でんしゃ!」から始まった

 

息子が「電車、電車」と言い出したのは、まだ1歳のころでした。しゃべれるようになるかならないかぐらいの時期に夢中になり始めて。電車を見に行きたいと言うので、連れていったのが始まりです。

 

息子を連れて電車を見に行くと、せっかく行ったのにぐずったり、飽きちゃったりするんです。最初は「もう、せっかく来たのに...」と思っていました。

 

でも何度も通ううちに、「どこから安全に見られるかな」「子どもが飽きない工夫はないかな」と考えるようになって。電車が見える公園を探したり、近くにトイレがある場所をチェックしたり、デパートの屋上なら私もお茶できるな、とか。

そうやって親子で楽しめるスポットを開拓していたら、いつの間にか情報がどんどん溜まっていました。

 

それで「これをガイドにしたらいいんじゃないか」と思って、出版社に企画を持って行ったのが、2008年のことでした。
 

「“私は”何線が好き」と言い始めた瞬間

 

ところが、子どもたちは割とすぐに電車に飽きてしまったんです(笑)。
4歳頃には、興味が戦隊ヒーローものに移りました。
ただ私の方は仕事にしていたので、取材や連載のために一人でカメラを持って電車を見に行くようになりました。

そのころ、周りのお母さんたちを見ていて気づいたことがあります。
「ママ鉄」という言葉を作ったのですが、ママ鉄かそうじゃないかって、主語が自分かどうかだと思ったんですね。
「うちの子は○○線が好きで」と言っている人は、まだ子どもを通して電車を見ている感じ。でも「“私は”○○線が好き」「“私は”今度○○を見に行きたい」みたいに、主語がどんどん自分に変わっていく。
その時は、「とうとうママ鉄側に来たな」と感じていました(笑)。

子どもが2、3歳の頃って、子育てが本当に大変な時期だと思います。
お母さんって、主語を失うんですよね。キャパがいっぱいいっぱいで、自分が何を好きだったか、どうしたいかとか、結構忘れてしまう人も多いのかなと思います。
私も、若い頃好きだった音楽を聞いて「私、ここにいたんだ」と、涙が出ることもありました。

でも、昔の好きだったものに戻るのではなく、子どもが持ってきた新しいものに自分が夢中になって、自分を主語にして話し始めた時に結構ハッとして。
「これ面白いじゃないか」って思えました。

今でも笑えるのが、ドクターイエローという点検用の黄色い新幹線が通るのを見に行った時のこと。子どもに教えてあげようと思っていたのに、自分が興奮しちゃって、子どもに教えるのを忘れてしまったんです。もうこの時は、主語が完全に自分だったのでしょうね。
 

富士山特急

 

子どもにとっての「自己肯定感」

 

私自身が電車に夢中になることで、思いがけない効果もありました。

 

自分が見つけてきたものを、お母さんがこんなに夢中になっている。今思えば、それは子どもにとっても嬉しかったんじゃないかなと思います。


「自分が見つけてきたものには、こんなに価値があるものなんだ」って。

 

後になって「共同注視」という言葉を知りました。
心理学で出てくる言葉で、横に並んで同じ対象を一緒に見るという意味です。

 

お互いに向き合うと、ぶつかったりあら探ししてしまうこともありますが、同じ対象に向かって一緒に見ると、絆が強くなる、ということを聞いて。

 

この言葉を聞いた時、「ああ、うちがやってきたのはそれだったのかな」と思いました。
 

陣馬山にて。登山を始めたばかりの頃

 

電車から山へ。新たな楽しみの始まり

 

山登りを始めたのは、電車を追いかけていた時期とも重なっていて。


下の子が5歳、上の子が8歳ぐらいの時でした。友達に「一緒に行かない?」と誘われたのがきっかけです。

 

最初に行ったのは高尾山。私は登山の経験もなく、体力もなくてすごくツラかったけど、登り切ったときに「こんなに達成感があるんだ」と爽快な気持ちになりました。

 

子育ての日々って終わりがないじゃないですか。
今日が終わっても、また明日決まった時間に起きないといけないですよね。どこにも節目がないし、ゴールもないし、誰かが褒めてくれるわけでもない。

 

でも山って、登頂した瞬間にそこで一つ節目というかゴールがあるんですよね。登って下りてきた時に「これはもう何の言い訳もなく、自分を褒めていいんだ」と自分を肯定できました。
 

子どもを信頼することで得られた「ラクさ」

 

そして山登りを通して、子どもたちの本来持っている力に気づいたことがあります。

 

岩場を登る時、3点支持といって4本の手足のうち3本は必ず岩につけておくという、安全に登るための基本原則があります。

 

後ろから「3点でね」と言うのですが、もう言う前からその形になっているんですよね。人間って、その場の環境に合わせて体が動くようにできている。子どもって大人よりも本能的に環境適合できるんだなと感心しました。

 

この発見が、日常生活での子育てにも影響を与えています。
「この人たち、私が言わなくてもできるんだ」って。

子どもは既に生きる力を持っているという絶対的な信頼を山の中で得ていたので、日常でも「そんなこまごまと言わなくてもやるだろう」と思えるようになりました。

 

だからこそ、子育てで特に心がけているのは「あんまり言わないこと」です。

 

「○○したらいいんじゃない」
「ママだったらこうするけど」
「普通はこうするんじゃない」
など、いろいろ言いたくなることもありますが、グッと堪えてジャッジやアドバイスをしないようにしています。

 

ただただ、子どもの言うことを聞く。そうやって関わっていたら、息子の方からどんどん話してくれるようになりました。20歳になった今でも、私の部屋に来て2〜3時間話していくこともあります。

 

人って思いの丈を全部話したら、自分の中で整理がついて、自分で答えを見つけていくと思うし、私はそれを信じています。

 

2015年に北アルプスデビュー。西穂高岳

 

親子登山が教えてくれた「生きる」ということ

 

そして山での体験は、私たち親子に「生きる」ことの本質を教えてくれました。

 

山の中では、進むか引き返すか、この道で本当にいいのか。
すべての判断が命に直結します。特に剱岳のような険しい山では、その判断の重さを痛感しました。

登山を始めた当初は私が判断していたのですが、経験を積むと同時に子どもたちにも判断を任せるようにしていきました。


その結果、19歳になった次男はこんなことを言うようになりました。
「登山がベースにあるから、今の自分がある。人って死ぬんだってことがよくわかったし、だからこそ生きることが際立っている」と。

 

都市で暮らしていると、生と死は遠い存在になりがちです。でも自然の中では、人間はみんな小さくて無力な存在。大人も子どもも、男性も女性も関係なく、ただの「生きているもの」として向き合うことになります。

 

そんな環境だからこそ、親子が対等な関係で、本当にフラットに話し合えるようになりました。山は私たちに命の重さと、だからこそ輝く「生きる」ことの意味を教えてくれたのです。
 

2023年、2度目のチャレンジで剱岳に登頂!

 

乳児期のママたちへ 〜実践的なアドバイス

 

子どもと何かを一緒に楽しみたい。そう思っている人も多いですよね。

 

私からのアドバイスは、あまり目的を定めすぎないこと。趣味と言うと身構えてしまいがちですが、もっとフラットなところから入ってみてください。

 

まずは、子どもが見ているものを一緒に見てみる。それだけでも「共同注視」の第一歩です。

 

そして、自分が教えたいことよりも、お互いにやったことのないことを一緒に始めてみるのも、対等な関係で楽しめるので良いのではないかと思います。

 

たとえばピアノなら「ある程度うまくならなければ」という考えは一旦置いて、まずは一緒に鍵盤を触ってみるとか。成果や意味を求めすぎると、苦しくなってしまいますから。

 

何より大切なのは、親の自分が、ラクで楽しめること。それが一番だと思います。

 

著書『生きる力を見つけた親子登山』

 

高尾山から始まった棚澤さんの親子登山は、10年以上続き、北アルプス・剱岳という一般登山道では最難関といわれる山まで到達しました。

 

『生きる力を見つけた親子登山』(彩流社)は、その10年間の軌跡を綴った一冊。単なる登山記録ではなく、「親子登山の効果」「変わっていく自分自身について」など、山での体験を通して深く考察したエッセイです。

 

「こんな時代だからこそ、山に登ろう。山に登れば、親も育つ、子も育つ!」

 

帯に書かれたこの言葉通り、子どもとの向き合い方に悩むすべての方に読んでほしい内容です。登山をしなくても、子育てのヒントがたくさん詰まっています。

 

今回のインタビューでも印象的だった「主語が自分に変わる瞬間」や「子どもを通して見つけた新しい自分」というテーマが、より深く探求されています。

 

ママカレ読者へのアンケートでも「子どもと一緒にトレッキングしたい」「同じ習い事で一緒に成長したい」という声が多数ありました。

 

まさに、お子さんと何かを共有したい方におすすめの一冊です。

 

『生きる力を見つけた親子登山』(彩流社)
棚澤明子著
2,200円
https://www.amazon.co.jp/dp/4779130522
 

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