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株式会社電通は、視覚障害者の目の見え方を可視化するツール「VISIONGRAM」※1を、2024年3月29日からウェブサイト上※2で一般公開しました。誰でもスマートフォンやPCの画面上に再現された視覚障害者の見え方を体験・共有することができるため、障害者と健常者の相互理解を促進します。電通は、「VISIONGRAM」の一般公開を通して、障害の有無に関わらず、全ての人が暮らしやすい社会の実現に向けた支援を行います。

 

障害者と健常者の相互理解を促進する「VISIONGRAM」

 

視覚障害者の目の見え方は、障害の程度や種類によって一人ひとり異なりますが、健常者が障害者のさまざまな見え方を想像・理解することは困難であるという課題があります。また、視覚障害者が自分の見え方を言葉で説明することは難しく、特に先天性の障害者にとっては、自分の目の見え方しか分からないため、さらに説明が困難であるという現状があります。

「VISIONGRAM」は、視覚障害者の目の見え方を可視化するツールです。ウェブサイト上で入力した障害者本人の視力の数値や検査データをもとに視界をドットデザインに変換し、それぞれの「視力」「視野」「色覚」を、ドットの数・密度・色の違いで再現した独自のデジタルフィルターを生成します。スマートフォンやPCのカメラを通じて、誰もが視覚障害の見え方を体験できると同時に、

視覚障害者本人も、自身の見え方をより簡単に伝える事ができるようになります。また、再現したデジタルフィルターのデータをQRコードやURLでシェアすることも可能です。

「VISIONGRAM」見え方のイメージ

教育にも活用!インクルーシブな社会の実現へ

 

「VISIONGRAM」は、開発を担当したクリエイティブチームが、視覚障害者アスリートとの会話を重ねる中で、視覚障害と一言でいっても、一人ひとり見え方に違いがあることや、見え方を互いに共有できないことで生じるさまざまな誤解などに着目しました。それぞれの見え方を可視化することで、新たなコミュニケーションを生み出し、障害者と健常者の相互理解を促進したいとの思いで開発されました。監修・協力は、NPO法人日本視覚障害者柔道連盟のクラス分け委員会の委員長も務める眼科医の辻拓也氏が担当しました。

IBSA柔道グランプリ大会 東京2023での様子

電通は、「VISIONGRAM」の一般公開をきっかけに、子どもが視覚障害者の見え方を体験できるインクルーシブ教育や、特別支援学級・学校での生徒支援、医療現場でのコミュニケーションツール、視覚障害者アスリートの指導・育成支援での使用といった新たな活用法を模索していきます。

今後も電通は、さまざまなソリューションの開発と普及を通じてDEI※3を推進し、インクルーシブな社会の実現を支援していきます。

 

※本記事における「障害」の表記について
「障害」の表記については、当事者団体や有識者の中でも議論が続いており、複数の意見が存在しています。本記事においては、元のリリースと同じく新聞用字用語集(第14版)にのっとり、「障害」と表記をしています。具体的なソリューションの提供においては、ご協力いただく当事者や専門家のご意見と、顧客企業のご意見を踏まえたうえで、その場に最も適切と考えられる表現を使用していくそうです。

※1 VISIONGRAMは、視覚における検査や医療分析・診断を行うためのツールではありません。
※2 VISIONGRAM プロジェクトサイト:https://visiongram-project.com/
(システムの利用にはID・パスワードの申請が必要になります)
※3 DEIとは、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の略。社会における人々の多様性(ダイバーシティ)、公平性(エクイティ)、包摂性(インクルージョン)に関する課題と、それを高める対策のことを指します。

 

インクルーシブな社会にむけて、子どもに体験してほしいことはありますか?

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