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止まることのない物価高、日本円の弱体化……。お金への不安は募るばかりで、家計管理をしなければ!と考えている人も多いはず。もっと楽しく前向きにお金と関わるには、どうしたらよいのでしょうか? FPであり『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)の著者・西山美紀さんに、お金との付き合い方を伺いました。

 

家計管理は健康診断と捉えよう!

 

「家計管理は毎日した方がいい、しないとお金は貯まりません」という記事をよく見かけるので、家計管理はしなければならないと思っている方も多いと思います。

 

私は逆の考え方を持っていて、家計管理は健康診断のようなものであり、毎日管理する必要はないと思っています。

 

健康診断は健康になることが目的ではなく、健康体で“したいことがある”からこそ受けますよね。家計管理も同じで、家計管理をすることがゴールではありません。“やりたいこと”を実行するために、お金の流れを確認するツールの1つだと思っています。

 

家計管理を楽しめる人は良いですが、そうでなければ毎日家計のために時間や労力を使うのは、すごくもったいない。自動化できる仕組みを作ってしまう方が簡単です。その仕組みを作るために、家のお金の流れを把握することが家計管理のファーストステップだと思っています。

 

健康でいうと、健康診断である程度元気なことがわかった上で、栄養バランスや睡眠の質、適度な運動を心がけていればしばらく健やかに過ごせる安心感がありますよね。

 

家計管理も同じです。一度確認して家計を把握できたら、それをキープする習慣ができれば、安心して日々を楽しめるようになっていきます。

 

ただ、健康と違うのはお金の出入りは時期によってバラつきが出ること。特に子どもがいる場合、1年ごとに状況が変わりますよね。習い事が増えたり減ったり、学校に入るために塾へ行く場合もあるし、私立に入学すると学費も変わります。親側の収入も、時短勤務からフルタイムに戻したり、転職したりと収入が増えたり減ったりする場合もあると思います。

 

そういう意味では健康診断よりも頻繁に、年に数回は確認することをおすすめします。
 

ちなみにわが家は年に2回、使いすぎたかな?お金の流れが変わったかな?というタイミングで、その月の分だけ収支を確認しています。

 

家計簿を楽しんでつけられる方もいらっしゃいますが、大多数の方は難しいもの。簡単にできるところからやってみて、楽しいと思ったら細かく帳簿をつけるのもいいですし、自動化する仕組みを作って年2回のざっくり管理で終わらせるのもおすすめです。
 

これから「やりたいこと」を家族会議しよう

 

お金の流れを把握することが家計管理のファーストステップとお伝えしましたが「お金の使い道」に目を向けることも大切です。

 

「どうしてもこの学校に行きたい」と子どもから希望が出たり、「買いたい車がある」「行きたい旅先がある」「引っ越したい」など、家族それぞれ使いたいお金がありますよね。それによって貯め方も準備する金額も変わってきます。

 

まずは「これから先、何がしたいか・どうお金を使っていきたいか」を家族それぞれで出し合って、そのためにいくら必要かシミュレーションしてみましょう!
 

“自分が欲しいものベスト10”を家族それぞれ出し合うこともおすすめです。考えること自体が楽しいですし、コミュニケーションにもなります。みんなの上位が一緒だったら、それに向けてお金を貯めよう!と一致団結できますよね。

 

お金が必要だから節約しようというマイナスの方向ではなく、家族の欲しいものを実現するためにどうしていく?と、前向きに考えられます。そのなかでちょうどいい落としどころを見つけていくことが、家計管理をする上で大切な考え方です。

 

不安は向き合うことで消えていく

 

私は2023年度から、2回目の大学生になって学んでいます。心理学を専攻しているのですが、年間100万円以上の学費がかかっています

 

このお金をどう作ったかというと、今後子どもにかかるお金や夫婦の老後に必要な金額を割り出し、マネープランを立てて大丈夫そうだ!と思ったので5年かけて準備しました。

 

わが家の子どもは中学・高校とお金がかかる時期ですし、実際に自分が大学生になってみてやっぱりお金がかかるな~とは思うのですが、想像以上に楽しく、大きな学びになっています。

 

あのときわが家のマネープランを立てていなかったら、子どもにお金がかかる時期に親の自分が大学生になるなんて無理だろうと諦めていたと思うので、調べることも大事。目処が立つと次の行動にも活かしやすいですし、子どもだけではなく自分たちのためにお金を使っていくことも大切ですよね。

 

心理学を学んで、お金の付き合いにも通ずる部分を多々感じます。
「不安だから」といってお金のことを考えることから逃げてしまうと、逃げることで安心が手に入るので、ずっと逃げ続けてしまうんですよね。見ないで済むと不安を感じないし、考えないで済むので散財してしまうことも……。不安を抱えている場合は、逆に不安と向き合って現実をみることで、不安を減らすことをおすすめしたいと思います。
 

もらえる年金のシミュレーションをしてみよう!

 

たとえば老後に不安を抱えている場合。年金をどのくらいもらえるか調べてみると、少し安心できると思います。

 

誕生月に「ねんきん定期便」が、はがき(35歳、45歳、59歳は封書)で届きますよね。40代までの方は、はがきには見込み額しか書いてないので、将来もらえる年金が少ないと思っている方も多いかもしれません。

 

そこでおすすめは、はがきにある二次元コードを読み込んで、「公的年金シミュレーター」にアクセスすることです。

 

自分がこのままの収入だったら、将来どの程度もらえるか、収入が増えた場合はどうか、65歳で受け取る場合、75歳で受け取る場合など細かく出せます。公的年金シミュレーターを見ながら、夫婦で受け取れる金額を確認してみるといいでしょう

 

年金以外にも毎月5万円貯金できている場合、年間で60万円・10年経ったら600万円貯まると、数字で見えてきますよね。

 

持ち家の方はローンが終われば住居費がだいぶ減りますし、老後に必要なお金もクリアになっていきます。

 

いつか子どもは独立して、それぞれの人生を歩いていきます。
子どもに必要なお金を準備することも大切ですが、自分たちのお金の使い方もぜひ考えてみてください。
 

親の気持ちが安定していると、子どもに対する接し方も変わって、気持ちの余裕ができてきます。自分のことができていると、少し子どもにも寛容になれますよね。
 

子ども100%で過ごすと、どうしても怒ってしまったり、期待してしまったりすると思いますが、それぞれの人生だということを意識すると、落ち着いて見られるかなと思います。
 

それぞれの「やりたいこと」をどう叶える?
固定費を洗い出そう!

 

家族会議でやりたいことを洗い出したら、それをどう叶えていくかを考えていきましょう。


ここで大事なことは、“現状”のお金の流れを把握することです。

まずは支出面。
 

支出は、大きく分けて固定費と流動費の2つに分けられます。


固定費とは、月々ほぼ変わらない一定額のお金のこと。住居費、水道光熱費、スマホ代、保険料、習い事代、学費などが挙げられます。

 

流動費は日々気分に応じて変わる費用です。食費、外食費、洋服、美容、趣味や旅行費などですね。

 

みなさん支出というと流動費に目が行きがちなのですが、大事なのは固定費の把握です。毎月ほぼ変わらない固定費は、健康でいうところの基礎代謝と同じで、常にそれが消費されていきます。
 

つまり、使える流動費は固定費によって決まるのです。

 

ぜひ考えてみていただきたいのですが、楽しみを得られるお金とは、実は流動費ですよね。自分の洋服代を2倍使って嬉しい人はいると思いますが、スマホ代が2倍になって嬉しい人はあまりいないはずです。

 

つい日々の食費でちょっと安いものを選んだり、洋服を我慢しよう、美容院の回数を減らそうなど、流動費の方を節約しがちなのですが、そうすると満足感を得られずイライラしたり、頑張っているのにお金は増えない……ということが起こりがちに。

 

大事なのは固定費をできる範囲で下げることです。
固定費をタイトにしておけば、流動費をたくさん使えるという楽しみを味わえます。
 

固定費を下げるコツ

 

住居費は簡単に下げられないですが、スマホを格安スマホや格安プランにする、電力会社を見直す、保険料を見直すなどはできますよね。固定費をコンパクトにすると、流動費を増やしていけます

 

固定費はクレジットカードや口座振替で自動的にスルスル毎月抜けていくお金なので、意識されていないことも多いです。

 

だからこそ、そこに気付いて月1000円を3~5つ減らせたら……?1年で考えても3.6~6万円。それが10年となると、数十万円と大きなお金になりますよね。

 

細かいところでは、スマホの不要なオプションを外し、サブスクリプションで使ってないものをやめると、使えるお金がどんどん増えていきます。

 

子どもの習い事も、数が多くて消化不良のようなら1つ減らすことを検討したり、週1回のものに2つ通っていたら、1つをやめて、もう1つを週2回に増やして集中的に取り組むのも手です。週2回だと、ぐんと上達しながらも、月謝は2倍以下で済むことが多いので、固定費削減につながります。

 

収入と固定費の割合を出してみると、実は固定費が多すぎてそもそも貯められない家計だったということに気づく方もいらっしゃいます。


まずは固定費を洗い出して減らせる部分を減らすこと、そして貯蓄額を確保し、使えるお金を増やしていきましょう
 

どうなったら家計は順調?
貯金を自動化するアイデア

家計管理のゴールは、入ってくるお金と出ていくお金の流れを把握すること。そして、貯蓄が順調に増えているかどうかが、家計のチェックポイントです。
 

そのためにも、貯蓄は固定費だと捉えて、財形貯蓄や自動積立定期貯金など自動的に引き落とされるように設定することをおすすめします。

 

固定費と貯蓄が決まれば、自然と月に使えるお金(流動費)が決まってきます。この流動費は好きに使っても、借金やリボ払いにしない限り家計が整います。

 

流動費は、美容が好きな方は美容をメインにしてもいいですし、食費にかけたい場合は食費を多めにしても、割合は自由にしていいと思います。
 

「食費は何%に、習い事代は何%が正解」など見ることもありますが、一般的な例であって、どの費用にどのくらいかけたいかは各家庭それぞれですし、流動費の内訳はきっちり決めなくてもOKです。食費が多い月があっても他の費用が減っていればバランス的には問題ないですよね。一般的な割合は参考程度にとどめて、家族で話し合って決めましょう。

 

細かく日々の金額をつけて合計額を出すよりも、貯蓄が順調に増えることと、ちょうどよいお金の使い方を大事にしていけたらよいのではと思います。

 

貯蓄は収入の1~2割!

できる限り取り崩さないように

 

収入の1〜2割は貯蓄に回せるといいでしょう。今はたくさん使いたい・今は貯められるなど、ライフイベントや考え方はご家庭それぞれなので、家族で話し合って決めましょう。

 

ただ、貯蓄できていると思っても取り崩してばかりいたら結局は増えません。貯蓄を取り崩すクセをつけてしまうと危険なので、普段使いではない銀行の定期預金など簡単に崩せない預け先を選びましょう。

 

いざというときすぐ引き出すためのお金は、別途普通預金に多めに入れておくのもよいですね。

 

投資と預貯金、どっちがいい?

 

投資と預貯金は並行していくのがおすすめです。預貯金は多少あるけど、投資は全然してないという方も多いでしょう。

 

今は超低金利で預貯金ではなかなか増えないので、投資もぜひ検討したいところですね。月2万円を預貯金に、月1万円をNISAで投資信託を積み立てていくなど、分散させましょう。
 

例えば、子どもがホームステイに行きたいと言い出したなど、急にお金が必要になることも出てきます。そのためにも、すぐ引き出せて誰のためにも使える預貯金があると安心ですね。

 

貯蓄が既にたくさんある方であれば、投資の割合を増やすのも手です。


ただし、投資をする場合は、現金として引き出すのは最低5年以上先だと考え、10年程度以上は運用にまわせるお金で、長い目で見て行うことが大切です。

 

2024年8月5日に株価の大暴落が起こったのですが、その時に焦って現金化していたら、大きな損が出ていたかもしれません。その後2週間ほどで株価が回復したので、値動きがあるものに投資をする場合は、やはり長期間でじっくり考えることが賢明です。

 

今までもリーマン・ショックやコロナ・ショックがありましたし、受験のタイミングで投資のお金を使おうとしたときに、相場が大きく下がっている可能性もあります。


相場が上がったときに売る余裕を持つためには、預貯金も必要です。預貯金もしっかり確保しながら投資も進めていけるといいですね。
 

学資保険は入った方がいい?

 

学資保険には「保険」と「貯蓄」の要素があります。現在は超低金利ですので、貯蓄の効果が低いため、「保険」の要素が欲しい場合はよいと思います。

親が万一亡くなった場合などに、18歳などの満期時にある程度まとまった金額が受け取れるので、安心感はあるでしょう。

 

月々の保険料の支払いも、ゴールの額に合わせた金額になるので、小さいころから入っている方が少なく済みます。ただ、今は超低金利なので学資保険に多額をかけるのはおすすめではありません。

 

私は子どもが0歳の時、勉強も兼ねて学資保険にも入りました。そろそろ上の子の満期が近づいてきていて、貯蓄としてはあまり増えたわけではありませんが、教育費として少しまとまったお金を受け取れるメリットは感じています。

 

教育費は、様々な商品をミックスして準備するのがおすすめです。

 

「保険」は「学費に使う」と目的を固定化できますし、「預貯金」は現在は超低金利ですが元本割れしない安心感があります。さらに、物価高に対抗するために「投資」を組み合わせる。それぞれのいいところがありますので、どれか一つではなく、この3つをミックスして準備していけるといいでしょう。

 

今、お子様が0~5歳くらいの小さい方で、大学費用として準備していく場合は、投資期間を長く持てるので、投資で積み立てる割合を少し増やしてもいいかもしれません。途中で大きな値下がりがあっても、その安い値段で自動的に購入できるのも積み立てのメリットです。焦って積み立てをやめることなく、一度積み立てをはじめたら長く続けていきましょう。

 

ただし、使いたい時期に相場の大暴落があると困るため、使いたい時期が近付いたら、売却して預貯金に入れておくこともおすすめです。 

 

家計的に見る、受験の考え方

 

基本的に小中高の学費は家計の中でやりくりするのが理想です。教育費の準備のセオリーとしては、大学以降の費用を、子どもが小さい時から別取りで貯めていくことです。 

 

私立中学や高校などの入学金が高額な場合や、受験期に限っては、家計の中でやりくりできないかと思いますので、その際は貯蓄取り崩しもあっていいでしょう。ただ、私立に進学して毎月貯蓄を取り崩すことは、危険信号です。 小・中学受験については、入学後に収入の中で学費をやりくりできるかを考えてから検討したいですね。

 

今後も物価は上がっていく見込みで、今100万円のものが、数年先には100万円で買えなくなる可能性があります。今まで以上に、お金について考え、行動に移していくことが必要になる時代です。

 

まずは「自分が何を大切にして、どう生きたいのか」に向き合い、実現させるためにいくら必要なのかを家族で話しあってみましょう。

 

そのうえで、固定費で削れるところは削り、月々の貯蓄額を決めること。そして、家族で前向きに、夢の実現を目指していけるといいですね。

 

これから先不安のない未来を描くために、お金と上手に付き合っていきましょう!

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