「選ぶ力」が子どもたちの未来を変える !ファッションから始める環境保全への一歩
子どもが生まれてから、買い物の仕方が変わったと感じることはありませんか?
服を選ぶとき、食材を選ぶとき、「子どもの将来にとって良いものを」と考えるようになった方も多いのではないでしょうか。
私たちが日々何を選び、何を手に取るか。その「選択」は、未来に確実につながっています。だからこそ、まずは身近なファッションから、“選び方”を見直してみませんか?
今回は、海洋ゴミをファッションに活用するという、これまでにないアプローチで注目を集めるスペイン発のブランド『ECOALF(エコアルフ)』をご紹介します。日本展開を手がける三陽商会の下川雅敏さんに、取り組みの背景や想いを伺いました。
まずは知ることから!ファッション業界の現実
ファッション産業は世界で第2位の環境汚染産業だということをご存じでしょうか。
少し前には、年間約1000億枚の服が生産されており、そのうち約7割が使えるものであるにも関わらず廃棄されているといわれていました。
服を作る工程で石油や水などの自然資源を大量に使う一方で、作られた商品を十分に活用せずに廃棄している。まずはこの現実を知って、何を選びとるか考えていくことが、より良い選択をするための第一歩だと思っています。
2つの環境問題を同時に解決するエコアルフの取り組み
私たちのブランド『エコアルフ』は、天然資源の浪費を防ぎ、守っていくことを最大のゴールとしています。そして、他のファッションブランドと違う観点として、海洋汚染問題に特に注目しているところです。
海洋汚染の現状は深刻で、1分間にゴミ収集車1台分、年間約800万トンものゴミが海洋に流出し、海洋汚染につながっています。このゴミは海に直接ポイ捨てされたものではなく、私たちの日常生活から出てきたゴミが海洋に流れ出ているのです。
エコアルフの創業者、ハビエル・ゴジェネーチェが注目したのは、漁の際に魚と一緒に網にかかる大量の海洋ゴミが、そのまま海に戻されているという現実でした。持ち帰れば「ゴミ」としての処理が必要なため、漁師たちは再び海に戻さざるを得なかったのです。
そこに問題意識を持ったハビエルは、船の中にストッカーを設置。海に捨てる代わりに、そこにゴミを入れてもらいファッションの資源として活用することを始めたのです。
リサイクル繊維を利用して製造するブランドはありますが、ゴミの回収から繊維への加工、そして製品化まで行っている点は、ブランドとして唯一無二と言える存在です。
エコアルフが生まれた理由 - 「ブランド名」に込められた思い
エコアルフは、2009年にスペインで誕生したサステナブルファッションブランドです。
創業者のハビエルがブランドを立ち上げたのは、息子・アルフレッドが生まれたことがきっかけでした。彼の未来――つまり、これからの子どもたちの未来を守りたい。その想いをファッションという手段に込めたのです。
ブランド名の「エコアルフ」は、「エコ」と息子の名前「アルフレッド」の頭文字を組み合わせて名づけられました。今では、ヨーロッパのサステナブルファッションを牽引する存在として、多くの人に選ばれるブランドへと成長しています。
エコアルフが大切にしているのは、「無駄を価値に変えること」。
ペットボトルや漁網、古タイヤ、さらにはコーヒーかすなど、これまで廃棄されていたものを独自の技術で再利用して、新たな命を吹き込む取り組みを続けています。
ただ再利用するのではなく、それによってどれだけ環境負荷を軽減できるか?
素材一つひとつと丁寧に向き合いながら、循環を前提としたモノづくりに取り組んでいるのです。
日本独自の商品 - 私たちも参加できる循環の輪
日本で展開しているエコアルフ商品の8割はスペイン発のグローバル商品ですが、残り2割は日本独自の取り組みから生まれたプロダクトを作っています。
三重県志摩市などの地方自治体と協業していたり、都心部の街中でもクリーンアップ活動を定期的に行っています。
また、かねてより環境問題解決のための啓発活動を連携している新宿高島屋店とクリーンアップイベントを定期的に実施。回収したペットボトルや店頭に設置した回収BOX、この他サプライヤーが回収した国内の廃棄ペットボトルなど、集めた資源ゴミを使い、日本独自のルート生産した「UTO JAPAN Tシャツ 第2弾」を 6月に発売しました。
「買い物は投票」という視点
興味深いことに、エコアルフにもっとも関心を寄せているのは、Z世代と呼ばれる若い世代の人たちです。
そしてその次に多いのが、子育て世代。
未来を担う子どもたちのことを考える中で、「何を選ぶか」の意味に目を向けている方が増えているのかもしれません。
「買い物は投票」とよく言われますが、どの企業や取り組みに1票を投じるか。それが、未来をつくる力になっていくのです。
エコアルフの製品には、すべてQRコードがついています。スマートフォンで読み取ると、その商品の素材や製造過程、どんな認証を受けているかまで、すべての情報が確認できる仕組みです。
これまで「なんとなく環境に良さそう」で選んでいた方も、エコアルフなら確かな根拠を持って、「子どもの未来のために、良い選択ができた」と実感できるのではないでしょうか。
母親だからこそ気づく服の循環問題
特に子育て中のお母さん方は、子ども服のサイズアウトなど、服と向き合う機会が多いと思います。まだ着られるのに捨てるしかない、そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
三陽商会では、服の回収からアップサイクル、リユース事業まで幅広く取り組んでいます。例えば、回収した服からマネキンやトルソーを作る取り組みも行っています。これにより、新たな石油などの資源を使うことなく、環境負荷の少ないディスプレイ用品を作ることができます。
ファッションは『着なくなったら終わり』ではなく、『次の価値』に生まれ変わる可能性を持っているのです。
選び方を変える具体的な方法
1. 服の「素材」を確認する習慣をつける
皆さんに特にお伝えしたいのは、『今着ている服が何からできているかを知る』ことの大切さです。
実は、服を循環させるためには、単一素材(ポリエステル100%やコットン100%)でないとリサイクルできません。
購入時に素材表示を確認することで、『この服は将来リサイクル可能か』という観点でも選べるようになります。
2. 商品の「背景」を知ろう
海外、特にヨーロッパでは、商品のストーリーや製造背景を確認して購入する習慣が根づいています。
素材は何か、認証はあるかなどの判断基準が浸透しているのです。
エコアルフを選ぶことは、単に服を買うのではなく、海洋保護プロジェクトや漁師さんたちの取り組みを支援することにもつながります。トレンドやデザインで選ぶのも良いとは思いますが、ぜひ商品の背景にも目を向けてみてほしいです。
3. 「長く使う」前提で選ぶ
エコアルフの商品は、環境への配慮だけでなく、品質にもこだわって作られています。『安いから』『流行っているから』ではなく、『長く大切に使えるから』『子どもに良い未来を残せるから』という理由で選ぶのも良いのではないでしょうか。
2025年9月、高輪にフラッグシップストア誕生
現在展開している国内6店舗に加え、9月12日に高輪ゲートウェイのニュウマンにエコアルフの新たなフラッグシップストアがオープンします。
実際に商品を手に取って、サステナブルファッションの可能性を体感していただけます。
ECOALF NEWoMan高輪
2024年9月12日グランドオープン
〒108-0074
東京都港区高輪2丁目21番1号 ニュウマン高輪 South 4F
エコアルフ公式WEBサイト
https://store.sanyo-shokai.co.jp/pages/ecoalf