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「快食・快眠・快便」は、わたしたちが健康的に生きていくうえで欠かせないもの。このうち快食と快便、つまり「食べること」と「出すこと」はふたつでひとつともいえる、人間のもっとも基本的な活動です。

 

「食べること」については、食材や栄養に気を配ったり、食育に取り組んだりと、日々の暮らしの中で意識している方も多いと思います。それに比べると、「出すこと」については話題になりにくく、正しい情報や知識を得る機会が多くありません。

 

今回は、大切なことなのに見落とされがちな「排泄=出すこと」について、こどもと家族の排泄サポート研究所の代表・和田智代さんにお話をお聞きしました。

 

 

和田智代(わだ・ともよ)さん 
こどもと家族の排泄サポート研究所 代表

 

名古屋大学大学院で修士号を取得。米国ワールドカレッジウェスト大学卒業。国内での保育士を経て、発展途上国の母子保健事業に従事。現在は国内を中心に、「大人と子どものコミュニケーション」をテーマに、講演・セミナー・カウンセリング&コーチング・執筆など、さまざまなかたちでの子育て支援事業に携わる。『赤ちゃんはできる! 幸せの排泄コミュニケーション:「おむつに頼りすぎない育児」という選択』(言叢社)など著書多数。

 

こどもと家族の排泄サポート研究所

 

 

「出すこと」は 
生きていくうえで欠かせない

 

「出すこと」=排泄は、広い意味では、老廃物など不要になったものを体の外に出すことで、主としておしっことうんちを意味します。特に「食べて出すこと」は、動物として当たり前の姿。これなしでは生きていけませんし、命を健康に保つうえで欠かせないメカニズムです。

 

そしてトイレに行ったり、汗をかいたりするとすっきりするように、「出すこと」は本来、気持ちのいいこと。おしっことうんちでいえば、野生動物のように、何にもじゃまされない空間で気持ちよく出すというのが本来の姿であり、動物としての本能です。でも人間の社会生活の中では本能のままに行動できるわけではありませんし、清潔志向が強い現代にあっては、「出すこと」には「汚い」や「くさい」、「恥ずかしい」といったネガティブなイメージがあるために、「食べること」に比べると注目されにくいという現実があります。

 

育児においても、「食べること」については、授乳や離乳食について教わったり、子どもへの食育をしたりしますが、「出すこと」については意識したり、学んだりすることはなかなかありません。そうして正しい知識や情報を得たり、気軽に相談したりする機会がほとんどないという状況が、子どもの排泄にまつわるさまざまな問題の多様化・深刻化につながっていると感じています。 
 

人生を豊かにする 
幸せの排泄コミュニケーション


 

気持ちのいい排泄に寄り添うことの意義とすばらしさを伝えることを目指す当研究所には、赤ちゃんをはじめ、さまざまな年齢の子どもの排泄に関する相談が寄せられます。なかでも、もっとも身近なもののひとつとして挙げられるのがトイレトレーニング=おむつ外しではないでしょうか。「おしっこはトイレでできるのに、うんちはおむつの中でないとできない」、「小学生になっても昼間のおむつが外れない」など、悩んでいる親子は増えているように思います。

 

トイレで排泄できるようになるためには、大事なポイントがふたつあります。ひとつは、排泄物をためて出すという身体感覚が発達していること。もうひとつは、それを適切な場所で出せるようになるという社会性が発達していること。それらは本来、排泄の能力が発達していく乳児期から、体外に排泄物が出るとはどういうことかを五感で認識し、排泄物で体が汚れることのない開放空間で排泄するという、動物としての自然な排泄を通して学習していきます。月齢の低い赤ちゃんは、おむつを開いたときにおしっこをすることがよくありますよね。それが動物としての自然な姿で、開放空間で排泄するという能力をちゃんともって生まれてきていることを物語っています。

 

でも、生まれてすぐから何年もおむつの中で排泄するうちに、その能力はほとんど失われてしまいます。しかも、おむつをしていると排泄物が体の外に出るところが見えませんし、匂いも音も分かりません。また、おむつをしていればいつでも排泄できるので、排泄物をためるという感覚も育ちにくくなります。

 

子どもたちは生まれてから何年もかけて、おむつの中で排泄することを学習したのに、3歳頃になったある日突然、おむつの中ではなく、トイレで排泄するように言われるのです。子どもからしたら、トイレで排泄するための身体感覚も社会性も十分に発達していない状態で、おむつの外で排泄することを再学習しなくてはいけません。これが、おむつを使う現代の育児で、トイレトレーニングが難しくなっている理由のひとつだと思います。

 

そこでわたしたちが提唱しているのが、おむつに頼りすぎない育児です。大前提として、おむつがいい・悪いということではありません。普段はおむつを使いつつ、赤ちゃんの頃からおむつの外で排泄する機会をつくることで、自然な排泄感覚を忘れないようにサポートしてあげる育児法です。

 

赤ちゃんの世話をしながら観察していると、排泄しそうなタイミングが「ひょっとして今かな?」と、なんとなくわかることが増えていきます。そのときにおむつを外して、おしっこだったら「シーシー」、うんちだったら「うんうん」などの合図をしながら、開放空間で排泄させてあげましょう。出ても出なくてもOKですが、もし出たら、「シーシー出たね」「気持ちよかったね」などのポジティブな声をかけると、赤ちゃんも排泄のタイミングが少しずつわかるようになっていきます。もしも、おむつを外しても出なかったら、「あ、今じゃなかったのね」と、さらりと流して忘れましょう。トイレトレーニングをしているわけではないので、そんなゆるい感じがいいのです。1日に1回でもいいから、遊び感覚で「開放空間での排泄チャレンジ」をやってみて下さい。

 

開放空間で排泄した赤ちゃんは、とても気持ちよさそうですし、その姿・表情は、世話をする側にも幸せを感じさせてくれます。また、排泄に寄り添うことで、赤ちゃんのほかの欲求もわかるようになります。そうすると赤ちゃんとのコミュニケーションも深まりますし、言葉を超えて赤ちゃんとつながれることは子育てへの自信にもなります。

 

そうして赤ちゃんから大人まで、人生のさまざまなステージで排泄を通して生まれる豊かなコミュニケーションを「幸せの排泄コミュニケーション」と呼んでいます。


気持ちのいい排泄を通して 
体も心も幸せに 
 

 

3歳前後からトイレトレーニングをはじめる家庭が多いかと思いますが、なかなかおむつが外れずに悩んでいる親子も少なくありません。3歳を過ぎた子どもは、「排泄はトイレでしたほうがいい」ということは十分理解しています。でも、3年以上をかけて、おむつの中で排泄することが安心で便利と学習してきた子どもたちにとっては、トイレで排泄することは不安だし、不便なこと。しかも、生まれてからずっと続けてきたことを変えることは、自分を全否定されたような気持ちにさえなるくらい、大人が思う以上に大変なことなのです。

 

これは子どもの便秘が増えていることにもつながると思います。子どもの場合、肛門のすぐ上にある直腸で便が滞る「直腸性便秘」がほとんどといわれます。原因は、医学的にはっきりとはわかっていませんが、便意を習慣的に我慢することで直腸にためぐせがついてしまい、便意を感じにくくなることも原因のひとつだといわれています。子どもが便意を我慢するのは、小学生であれば学校のトイレが使いづらい、排便するのが恥ずかしいという理由が考えられますが、トイレトレーニング期の子どもの場合は、おむつの中ではない、開放空間であるトイレでの排泄に不安を感じるからという理由が大きいと思います。また、遊びに集中したいためにわざわざトイレに行くのは不便だからという理由もあるでしょう。

 

そんな子どもの気持ちに寄り添うためにも、トイレトレーニングのステップゼロとして、「いままでありがとうセレモニー」をすることをおすすめしています。おむつへの「ありがとう」はもちろん、子どもに対して「いままでおむつの中でしてくれてありがとう。おかげで服や家が汚れずに済んで助かったよ」と、大人からの感謝を伝えるセレモニーです。もしもこのセレモニーをする場合、親は、涙が出るくらい真剣にやることが大切。本気で気持ちを伝えることで、子どもはいい意味でショックを受けて、脳が「トイレ排泄にチャレンジしよう!」という行動モードになりやすいのです。

 

また、このセレモニーを通して、「うまくできなくても大丈夫」、「ちょっとずつでいいんだよ」ということを伝え、子どもの心を「安心・うれしい・できる」という状態にしてあげることもポイントです。「不安・悲しい・できない」という心理状態では、脳も新しいことに挑戦して学習するというモードにはなりませんから。それに、子どもが安心することで、親もリラックスできます。トイレトレーニングでは、親子そろってリラックスした楽しい気持ちを忘れないこと、そしてあきらめずに挑戦する子どもを優しく応援し続けることがなにより大切です。

 

 

 

排泄は、生まれてから死ぬまで続く生理現象です。「汚い」ものでも「恥ずかしい」ものでもありません。むしろ、排泄を通したコミュニケーションには、人生における幸せのヒントがたくさんあります。まず、子どもはもちろん自分にとっても、排泄=健康に生きるために大切なものだと意識することからはじめましょう。自然な姿である気持ちのいい排泄は、体も心も幸せな人生につながります。

 

 

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もっと知りたい方へ

『こどもと家族の排泄ニュースレター』(無料)

 

おむつ外しや便秘のことなど、子どもの排泄に関してもっと知りたい方のために、「こどもと家族の排泄ニュースレター」を月に数回配信しています。

子どもの排泄に関する、一般的なメディアではあまり報道されない事実や、世界の最新情報などをお伝えします。

ぜひ、以下URLより登録して読んでみてください(配信停止も簡単にできます)。

 

https://www.omutsunashi.org/mailmagazine

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