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「アサーティブ(assertive)」は、自分の気持ちを積極的に表現することを意味しますが、「アサーティブ・コミュニケーション」は、自分の意見を押し通すことではありません。自分の気持ちや意見を、相手を尊重しながら誠実に、率直に伝え、対人関係を良好にしていくためのコミュニケーションスキルです。

 

日常生活の中で、自分の気持ちを相手に伝えることの難しさを感じることはだれにでもあると思います。それがストレスになり、人間関係について悩んでいるという方もいるでしょう。そんなときに役に立つアサーティブ・コミュニケーションについて、NPO法人アサーティブジャパンの代表理事・森田汐生さんに教えていただきました。 
 

 

森田汐生(もりた・しおむ)さん 
NPO法人アサーティブジャパンの代表理事

 

一橋大学社会学部卒業。大学在学中、イギリスでアサーティブと出合う。卒業後、社会福祉士の資格を取得し、1991~1993年にイギリスの社会福祉法人でソーシャルワーカーとして勤務。その間、イギリスでのアサーティブの第一人者、アン・ディクソン氏のもとでアサーティブ・トレーナーの資格を取得。帰国後、1999年からアサーティブを広める活動を始め、2004年にNPO法人化した。現在はアサーティブ・トレーナーとして、全国各地で講演・研修・人材養成を行っている。『「あなたらしく伝える」技術 女性のためのアサーティブ・コミュニケーション』(産業能率大学出版部)など著書多数。 
NPO法人アサーティブジャパン

 

 

日常で使える

アサーティブ・コミュニケーション

 

アサーティブ・コミュニケーションに大切なのは、大きく分けてふたつ。

 

■「自分」を大切にする 
「これを言ったら相手がどう思うか」、「まわりにどう思われるか」を考えることは確かに必要なことです。でもそればかりを気にしていると、本当は自分がどうしたいのかがわからなくなり、ひいては自分に自信がもてなくなってしまうことにもなりかねません。自分が本当はどうしたいのか=自分がどう生きていきたいのかを考え、その思いを大切にすることが、アサーティブになにかを伝えることの出発点となります。

 

■「相手」も大切にする 
相手を尊重するというのは、自分が我慢したり遠慮したりするということではありません。相手が自分と異なる意見や気持ちをもっているのは当然のこと。それをダメなものだと否定したり、どうせムリだとあきらめたりするのでもなく、「なるほど、そうなんだ!」と、そのまま受け止めればよいのです。相手には相手の価値観があり、大切にしているものがある、それを前提として話をはじめます。

 

日々のコミュニケーションを例に、アサーティブな伝え方についてみてみましょう。 
 

 

01

誘われたその場で「イエス」か「ノー」かを決める必要はありません。少し時間をとって、「今日の自分はどうしたいかな?」と心の中で考えてみましょう。「今日は家の片づけを優先したい」など、自分が優先したいものがあるならば「そんな自分もOK」と考えましょう。そのうえで、「今日がダメ」なら「いつならOKか」の代替案を考えてみるとよいでしょう。

 

02

開口一番「今日はムリ」と言うと相手も嫌な気持ちになります。まずは相手の気持ちを受け止めてください。「ありがとう、誘ってくれて」と感謝の気持ちを伝えることで自分の気持ちも楽になりますし、相手も気持ちを受け止めてもらえたことで納得しやすくなります。 
次に「今日はごめんね、家の片づけをする予定なの。でも来週なら行けると思うから参加するね」など、自分がどうしたいのかを伝えたうえで、代替案も提案するようにします。関係をつなぐひと言があることで、人間関係を悪化させることなく話を終えることができるのです。 
申し訳ない気持ちから声のトーンが重く暗くならないように、明るくサラっと伝えるのがポイントです。普段から声に出して練習しておくと、いざというとき役にたちます。

 

 

 

01

身近な人間関係の中では、言い方がきつくなってけんかになることや、どうせ言っても分かってもらえない、とあきらめたくなることもあるでしょう。ここでちょっと立ち止まります。 
「自分が本当にしたいことはなに? けんかをしたいのか、あきらめたいのか、それともちゃんと話し合いたいのか?」 
話し合いたいと思うのであれば、「では今回解決したいことはなにかな」と考えてみましょう。「日曜日に自分の時間がほしい」とか「家事を手伝ってもらって、家族団らんの時間をもちたい」などです。

 

02

 「今日もお疲れ様」というように、会話は肯定的にはじめましょう。そのうえで「ひとつお願いがあるんだけど、今度の日曜日の午後、私、〇〇をしたくて。だからその時間、子どもの相手をしてもらえないかな?」のように、お願いごとを具体的に、率直に伝えます。

 

03

相手の都合も聞きましょう。「〇〇だったらできそうだけど」などの意見が出たら「そうなのね」といったん受け止めます。

 

04

 「〇曜日の〇~〇時ならどう?」というように、お互いにとって実現可能な合意ができたら、「ありがとう。じゃあよろしくね」とさわやかに終わりましょう。

 

自分の気持ちを受け止めてくれる身近な関係では、つい攻撃的になったりあきらめモードになったりしがちです。でも、自分が本当に望むのは「家族と笑顔で過ごす」こと。であれば、けんかになりそうになったら、ちょっと深呼吸してそれを思い出すと、怒り爆発モードから離れられます。

 

ちなみにアサーティブ・コミュニケーションは、お互いを尊重しながら気持ちを伝え合うスキルです。なので、最初に練習をするのは、友だちや大人の家族をおすすめします。小学生までの低年齢の子どもたちの場合は、最後にふれる4つの柱を意識することからはじめてみてください。

 

また、対面でのコミュニケーションに加え、友人や知人、家族とオンラインでコミュニケーションをとることも多いと思います。そのときに気を付けたいのは3つ。

 

  1. 文字の向こうに生身の人間がいることを忘れない。
  2. 簡潔にシンプルに具体的に書く。
  3. 長くなりそうだったら口頭に切り替える。

 

文字で気持ちを伝えるには限界がありますので、文字で伝えることと、会って話すことの線引きをすることも大切です。

 

顔を知らない相手とのオンラインコミュニケーションでは、上記の1.と2.に加え、反論されたとしても感情的にならないように気を付けましょう。相手の意見に対し否定も批判もせず、「なるほど、そういうこともありますね」と受け入れたうえで、「私は〇〇だと思います」と、自分がどう思うかを伝えます。場合によっては話を切り上げる、その議論から離れるというのも選択肢のひとつです。

 

自分を主語にして 
未来に向かって伝える

 

アサーティブ・コミュニケーションでは、「自分(私)」を主語にした「I(アイ)メッセージ」で、感情的にならずに自分の気持ちを伝えることが大切です。反対に、「相手(あなた)」を主語にした「You(ユー)メッセージ」を使うと感情的な表現になり、相手を責めたり、否定したりする印象になります。 
 

 

また、要望は「あのとき〇〇してほしかった」と過去のことを持ち出すのではなく、「あのときこうだったから、今回は〇〇したい」と、未来に向かって伝えるようにしましょう。

 

とはいえ、感情的になっているときには、アサーティブにものを伝えることは難しいものです。そんなときは無理に感情にふたをせず、自分の気持ちを受け止めたうえで、時間をとって自分がどうしたいのかを言語化してみましょう。

 

そうやって自分はどうしたいのかを自分の心に尋ね、アサーティブに伝えることを意識することで、不必要なぶつかりやストレスがなくなります。もし失敗してもやり直せばいい。何回もためしているうちに、お互いの人間関係が変わっていきます。

 

アサーティブ・コミュニケーションは、相手とぶつかりたくないからとがまんすることではありません。アサーティブであること=自分を大事にすること。アサーティブ・コミュニケーションは、自信をもって自分らしく生きることにつながります。

 

アサーティブな伝え方は 
4つの柱から自然と生まれる 
 

 

性格が社交的でコミュニケーションが得意な人もいれば、内向的で苦手な人もいます。でもコミュニケーションのよしあしは性格で決まるのではなく、相手を尊重しながら、自分が本当に伝えたいことを適切な言葉で伝えられるというスキルや考え方で決まります。

 

アサーティブな伝え方の根底にあるのは、どんなときでも自分を卑下することなく、相手を尊重して、真摯に誠実に相手と向き合おうとする心のもちようです。「誠実」、「率直」、「対等」、「自己責任」という4つの柱がしっかりしていれば、自然とアサーティブな言葉が出てくるようになります。

 

相手は変えられませんし、性格を変えることもできません。でも、伝え方は変えられます。自分も相手も大切にするために、自分の伝え方を「選ぶ」ことができるのです。選ぶのは自分。どんなときの自分もOKとして、伝え方は工夫できます。ぜひ、良い人間関係をつくるヒントにしてください。

 

 

ママにおすすめ! 


 

「あなたらしく伝える」技術 
女性のためのアサーティブ・コミュニケーション 
(森田汐生/著 産業能率大学出版部/発行)


性格は変えられないけれど、コミュニケーションは変えられる! 
女性であるがゆえに迷い、悩みもする身近なケースで活用できるアサーティブ・コミュニケーションの数々が紹介されています。

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